リーディングに役立つタロット解説|12 吊るされた男 THE HANGED MAN「新たな視点と内面成長」
- 神貴
- 3月24日
- 読了時間: 5分
更新日:4 日前

リーディングに役立つタロット解説
大アルカナの「吊るされた男(THE HANGED MAN)」のカードは、自己犠牲、内面的成長、視点の転換、忍耐、そして精神的な啓示を象徴する大アルカナです。カードに描かれた人物は、自ら進んで逆さに吊るされることを選び、物質的な価値観や世俗的な成功から一時的に距離を取っています。これは、自発的に犠牲を払うことで得られる内なる真理や洞察を意味しています。進むことよりも「立ち止まること」が求められる状況であり、自己探求や精神的成熟のために、あえて待つ・委ねる姿勢が必要です。外的な変化が起こらずとも、内的な成長や変容が進行していることを示唆しています。また、吊るされた男は「周囲に迎合せずに、自らの信念に従う姿勢」を象徴し、短期的な成果よりも長期的な成長や真理への到達を重視するカードです。
1. 吊るされた男(THE HANGED MAN)イラストの意味と象徴性
「吊るされた男」は、T字型の木から逆さに吊るされている若者の姿で描かれています。彼は片足を木の枝にかけ、もう一方の足を後ろに組んで数字の「4」の形を作り出しています。このポーズは、霊的安定と内面的探求を象徴しています。彼の頭部の周囲には金色の光輪が輝き、これは神聖な啓示や悟りを意味します。また、彼の表情は非常に穏やかで、苦しみではなく平和と受容の感覚が表現されています。赤と青の衣装は、情熱(赤)と精神性(青)のバランスを象徴しており、物質と精神の統合を表します。背景にあるT字の木は生命の木の象徴でもあり、魂の進化や成長を支える基盤とされます。全体として、このカードのイラストは「逆さまの視点」を通して世界の本質や真理に到達するというメッセージを視覚的に表現しているのです。
逆さに吊るされた姿:固定観念を捨てて新しい視点を得る
光輪(ハロー):精神的な啓示と悟り、神聖な洞察の到来
生命の木(T字型の木):霊的成長と再生の象徴
交差した足(4の形):安定と秩序、内面的探求の象徴
穏やかな表情:自発的な受容と内面的な平穏
青と赤の服:精神性(青)と情熱・犠牲(赤)の調和
2. カードの番号と位置
吊るされた男は大アルカナの12番に位置します。この「12」という数字は、完成と試練の両方を内包しています。例えば、1と2を足すと3になり、「創造」「結実」の象徴にもなりますが、同時に1(始まり)と2(選択)の間で生じる葛藤や停滞を含む数でもあります。加えて、12は1年間の月数、12星座、12使徒など、時の流れや宇宙の秩序を象徴する数でもあります。このことから、吊るされた男は一見静止しているように見えて、実は大いなる変化や啓示の中にあるという性質を持っています。「変化の直前の静けさ」「時間を超えた理解」といった象徴も含まれており、12は単なる停止ではなく、成熟に向かう移行期を表しています。
3. 吊るされた男(THE HANGED MAN)の象徴的な役割
吊るされた男の象徴的な役割は、「一時的な停止を通じて得られる精神的成長」を示すことです。彼は行動を止め、逆さの視点から世界を見つめ、自己の内面と向き合います。この姿は、外的成果を求めるのではなく、内なる真実を探る姿勢を象徴しています。また、逆境や困難に対して無抵抗でいることで、その意味や価値に気づくプロセスを表現しています。犠牲や待機を強いられる状況においても、自発的な受容によって深い理解に至ることを示唆しています。つまり、吊るされた男は「何もしないことによって得られるものの重要性」や「自己犠牲がもたらす精神的な報酬」を体現しており、カード全体として「受動の力」を教えています。
4. 歴史的背景
吊るされた男の原型は、タロットの中世的起源における「処刑者」や「裏切り者」のモチーフに由来しています。初期のタロットデッキでは、このカードは足を縛られて吊るされた人物として描かれ、罪人のイメージが強く、主に社会的制裁や罰を表現していました。しかし時代を経るにつれ、このカードの意味は次第に変化し、ライダー=ウェイト版においては精神的な成長や自発的な犠牲の象徴へと昇華しました。特にオカルトや神秘思想の文脈では、吊るされた男は「逆さの視点」によって現実を超えた真理を見出す象徴とされました。このように、歴史を通してこのカードは「外的罰から内的覚醒」へと意味を深めてきたのです。
5. リーディングに役立つタロット解説
占いにおいて「吊るされた男」が出現した場合、それは状況の一時的な停止や、進展が見えない状態を表しています。しかしそれは単なる停滞ではなく、内面の見直しや価値観の転換のチャンスでもあります。積極的に行動することよりも、流れに身を任せ、現状を受け入れることが求められる時です。また、犠牲や奉仕の精神を持つことが状況を好転させる鍵となる場合もあります。仕事や恋愛などでは、すぐに成果が出ることを求めるのではなく、時間をかけた熟成を意識することが重要です。深い洞察力を得るために、あえて立ち止まることの意義を示すカードです。感情や衝動よりも、静かに考える力が試される時といえます。
正位置の場合:
自ら犠牲を選ぶ覚悟
新たな視点の獲得
内面の成長を促す時
待つことの重要性
精神的な受容と平穏
他人に流されない姿勢
真理に近づく直感
逆位置の場合:
無意味な自己犠牲
現実逃避の傾向
変化を拒む停滞
執着による視野狭窄
責任からの逃避
成熟の回避行動
無気力な状況悪化

大アルカナ(Major Arcana)
小アルカナ(Mminor Arcana)
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